そろばんの習い事のメリットとデメリット

近年、子どもの教育にそろばんが再び注目されています。デジタル時代にも関わらず、そろばんの習い事は依然として多くの家庭で選ばれていますが、その理由には多くの教育的なメリットがあるためです。しかし、一方で、デメリットも考慮する必要があります。本記事では、そろばんの習い事のメリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。

そろばん習い事のメリット

そろばんは古くから計算の学習に使われてきた道具ですが、単に計算能力を向上させるだけではなく、さまざまなスキルを子どもに提供します。以下では、そろばんを習うことで得られる具体的なメリットを紹介します。

集中する力が身につく

そろばんの練習には集中力が必要です。特に、正確な計算を行うためには、一つひとつの動作に集中しなければならず、その過程で自然と集中力が養われます。集中する力は、他の学習や日常生活にも良い影響を与えます。

数に対する抵抗がなくなる

子どもの中には、算数や数学に苦手意識を持つ子がいますが、そろばんを使って学ぶことで、数に対する抵抗感が減少します。そろばんは視覚的に数を捉える道具であり、数の概念を実感として理解できるため、数を扱うことに自信がつくでしょう。

記憶力の向上（イメージ力）

そろばんの練習では、手で珠を動かしながら計算を進めていきます。この過程で数字をイメージする力が養われ、暗算のスキルが向上します。このイメージ力は記憶力の向上にもつながります。子どもは、数字の位置や変化を視覚的に捉えることで、計算のプロセスを頭の中で再現できるようになります。

忍耐力が鍛えられる

そろばんの習い事を通して、子どもは忍耐力を学ぶことができます。練習を重ねて級を上げていくプロセスには、多くの努力が必要です。簡単には成果が出ない中で、忍耐強く取り組む姿勢が育まれ、やり抜く力が養われます。

右脳の発達と発想力の向上

そろばんは、論理的な計算能力だけでなく、右脳を刺激することによって発想力やひらめき力も養われます。そろばんで計算する際には、珠の位置や数のパターンを視覚的に処理するため、空間認識能力が向上し、右脳の発達を促します。

そろばん習い事のデメリット

そろばんには多くのメリットがありますが、同時にデメリットも無視できません。以下では、そろばん習い事のデメリットを詳しく見ていきます。

継続期間がある程度必要

そろばんは、一度習い始めてもすぐに結果が出るわけではなく、一定の期間をかけて習熟する必要があります。特に、暗算能力や級の上達には継続的な練習が必要であり、短期間での効果を期待するのは難しいかもしれません。

やめたくなる時期や級の壁がある

そろばんの級が上がるにつれて、問題の難易度も上がり、やめたくなる時期が訪れることがあります。特に、級の壁にぶつかると、子どものやる気が減少することがあり、親のサポートが重要になります。

ひっ算が面倒に感じる

そろばんを習い続けると、珠を使った計算には慣れる一方で、紙と鉛筆で行うひっ算が面倒に感じることがあります。そろばんに頼りすぎると、ひっ算が苦手になり、学習のバランスを崩す可能性があります。

字が雑になることがある

そろばんを使った計算では、素早く数字を書き留めることが必要になるため、字が雑になりがちです。特に、スピードを求める練習では、丁寧さが犠牲になることがあるため、子どもには文字を書く際の注意も必要です。

拘束時間が長く親に負担がかかる

そろばんの習い事に通うには、時間的な拘束もあります。特に、毎週のレッスンや検定試験に参加するための送迎など、親にも負担がかかることがあります。親のサポートが必要な場面が多いため、他の習い事や家庭内のスケジュールとのバランスを考える必要があります。

算数力アップや受験勉強に直結しない

そろばんで計算が速くなる一方で、算数の学習全般や受験勉強に必ずしも直結するわけではありません。特に、文章題や応用問題に弱くなることがあり、算数全体のバランスを考えた学習が必要です。そろばんだけに頼りすぎず、他の学習との連携を図ることが重要です。

まとめ

そろばんの習い事には、集中力や計算能力の向上、右脳の発達など、多くのメリットがあります。しかし、一方で、習熟までに時間がかかることや、時間的な負担がかかるデメリットも存在します。そろばんを通じて得られるスキルを活かすためには、デメリットを理解した上で、子どもに合った学習計画を立てることが重要です。