
【絵本】ルラルさんのつりざお
内容説明
ルラルさんは、おじいさんからもらったつりざおを一度も使ったことがありません。それは、おじいさんと一緒に釣りに行こうと約束していたものの、おじいさんが病気で入院し、そのまま亡くなってしまったからです。そのため、つりざおを見るたびにおじいさんとの思い出がよみがえり、大切にしまってありました。
ある日、ルラルさんが庭でそのつりざおをふっていると、動物の仲間たちが集まってきます。そして、魚がたくさん釣れる湖へ案内してくれました。湖では仲間たちが次々と魚を釣りあげる中、ルラルさんだけはなかなか釣れません。それでもなんとか頑張っていると、突然、とてつもなく大きな魚がかかります。
ルラルさんと仲間たちは力を合わせてその魚を釣りあげようと奮闘しますが……。おじいさんとの思い出が詰まったつりざおと共に挑むルラルさんの姿が心に響く、感動の物語です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、思い出の品や大切な人との絆をテーマにしており、感情教育や社会性の発達を促す教材として活用できます。まず、ルラルさんが亡きおじいさんとの思い出を大切にしている姿を通じて、子どもたちは「大切な人との思い出」の価値や、物が持つ感情的な意味について考えるきっかけを得られるでしょう。この場面を読み聞かせた後、子どもたちに自分の大事な宝物について話してもらうことで、自己表現力や他者との共感力を育む活動に繋げることができます。
また、ルラルさんが仲間たちと協力して大きな魚を釣り上げようと奮闘するエピソードは、チームワークや助け合いの大切さを学ぶ機会として最適です。物語を読み終えた後にクラスで協力が必要なゲームや活動を取り入れると、物語の内容を体験的に深めることができます。例えば「みんなで力を合わせて何かを成し遂げる」課題を設定することで、協力する楽しさを実感させることができるでしょう。
さらに、物語の進行に合わせて「どうしてルラルさんは釣りざおを使わなかったのかな?」や「ルラルさんはどんな気持ちだったと思う?」といった質問を投げかけることで、子どもたちが登場人物の気持ちを考え、自分なりの答えを見つける力を育むことも可能です。この絵本は、感動的なストーリーを楽しむだけでなく、感情教育や集団活動の導入としても非常に有用な一冊です。