
【絵本】ルラルさんのたきび
内容説明
ロングセラー絵本シリーズの第10作目となる本作は、小さな焚き火から始まる、わくわくする冒険の物語です。ページをめくるたびに広がる意外な展開が、読者を楽しませてくれます。
キャンプで料理をしたいと考えたルラルさんは、まず庭で焚き火を試してみることにしました。すると、庭の仲間たちが次々と集まってきて、「もっと薪を足そう!」と、焚き火にどんどん薪をくべていきます。煙がもくもく立ち上り、あたり一面が真っ白な煙で包まれてしまいました。こうして、ルラルさんの焚き火をめぐるユニークな冒険が始まります。
また本作の作者、いとうひろしさんは「ルラルさんは生まれたときからずっとおじさん。でも彼は、わがままな子どもや頑固なお年寄りのように見えることもあり、さまざまな顔を持っています。だからこそ、長年多くの人に愛されてきたのでしょう」と語っています。これからも変わらずおじさんのまま、ルラルさんは読者を楽しませ続けてくれることでしょう。
知育や教材で活用する際のポイント
本作は、焚き火をテーマにしたルラルさんの冒険を通じて、想像力や協調性を育むのに最適な絵本です。子どもたちにとって馴染みのある「火」や「キャンプ」といったテーマが、物語の中でわくわくする展開として描かれており、自然や生活の中での気づきを促すきっかけになります。幼児から小学生まで幅広い年齢の子どもたちに楽しんでもらえるだけでなく、火を扱うことの魅力や注意点について話し合う場を作ることもできます。
ルラルさんが庭の仲間たちと一緒に焚き火を楽しむ様子は、協力することやコミュニケーションの大切さを自然に伝える内容となっています。お話を読みながら、子どもたちと「みんなで協力して何かを作る楽しさ」や「それぞれの役割」について話し合う時間を持つのも良いでしょう。また、煙で包まれる場面などは視覚的なイメージが広がりやすく、子どもたちの創造力を刺激します。物語のその後を子どもたちと一緒に考えたり、絵に描いてみたりする活動もおすすめです。
さらに、作者が語る「ルラルさんのさまざまな顔」は、多様な個性や感情を受け入れる大切さを教えてくれます。保育や教育現場では、ルラルさんをきっかけに「いろんな人がいること」や「違いを楽しむこと」を子どもたちに伝える良い機会となるでしょう。読み聞かせだけでなく、テーマを掘り下げた活動を展開することで、絵本が知育や教材として一層活用しやすくなります。