
【絵本】メロウ
内容説明
アイルランドに伝わる人魚「メロウ」の物語を、絵本作家せなけいこが独特の切り絵と語り口で描きます。
舞台は、荒波が打ち寄せるアイルランドの海辺。そこにジャック・ドガティーという漁師がひとりで暮らしていました。近くには他に人の住む気配はなく、周囲を満たしているのはアザラシやカモメたちの姿。そして、もっと不思議な存在もそこには潜んでいました。
せなけいこの手による細やかな切り絵とともに、アイルランドの古い伝承が鮮やかに語られる一冊です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、アイルランドに伝わる人魚「メロウ」の物語を通して、子どもたちに自然や伝承文化の魅力を伝える絶好の教材です。せなけいこの独特な切り絵は視覚的にも楽しめるため、小さな子どもから大人まで幅広い年齢層に訴求力があります。切り絵の細部を観察することで、子どもたちの感性や観察力を育む効果も期待できます。
物語の舞台であるアイルランドの海辺や、登場するアザラシ・カモメなどの生き物を通じて、子どもたちに自然環境や異国の文化に興味を持たせるきっかけになります。また、「メロウ」という不思議な存在に触れることで、伝承や神話の世界に親しむことができ、想像力を豊かにする効果もあります。読み聞かせの際には、「もし人魚が実際にいたらどんな生活をしていると思う?」など、問いかけを交えて対話を深めると、より子どもたちの思考が広がります。
さらに、漁師ジャックの孤独な暮らしや、周囲の自然との関わりを描いたこの物語は、静けさや自然との共生についても考える機会を提供します。保育や授業で取り上げる際には、静かな時間を持ちながら、物語の情景を思い浮かべる時間を作ると効果的です。この絵本は、アート・文化・自然の複合的な学びを提供できる貴重な一冊と言えるでしょう。