
【絵本】また あえたね
内容説明
それは、こぐまが生まれた年のことでした。ある日、空から一枚の葉っぱがひらひらと落ちてきます。「大丈夫?」と声をかけるこぐま。でも葉っぱは答えません。そのうち、赤や黄に色づいたたくさんの葉っぱが次々と舞い降りてきます。
「こんなに落ちてしまって大変だ……」と、こぐまは落ちた葉っぱを拾い集め、枝に戻そうとします。しかし、どんなに頑張っても元には戻りません。やがて、こぐまはふとしたことで眠気に包まれていきます。そして……。
季節が移り変わる様子と命の巡りを、音楽のように美しく温かい言葉で描いた絵本です。初めてこの物語に出会ったとき、そのシンプルで心に響く文章や優しい絵に心を奪われました。ページをめくるたびに、自然の営みと命のつながりが胸に迫ります。
『またあえたね』は、季節の流れと命の大切さを穏やかに伝える、読む人の心に残る物語です。
知育や教材で活用する際のポイント
『またあえたね』は、季節の移り変わりや命の循環をテーマにした心温まる絵本で、子どもたちに自然や生命の大切さを伝えるのに最適な教材です。この絵本を知育や教育の場で活用する際には、まず季節感に注目した活動を取り入れることがポイントです。例えば、春夏秋冬の移り変わりを実際の自然観察と結びつけたり、葉っぱの色や形の変化を子どもたちと観察することで、絵本の内容を体験的に深められます。
また、こぐまの行動や感情に焦点を当て、子どもたちに感想を聞く時間を設けると良いでしょう。こぐまが葉っぱのために懸命に動く姿や、自然の流れを受け入れる姿勢は、思いやりや共感、変化を受け入れる心を育むきっかけになります。「葉っぱを戻せなかったときのこぐまの気持ちは?」「もし自分がこぐまだったらどうする?」と問いかけ、子どもたちに考えさせることで、物語をより深く味わえます。
さらに、命の循環というテーマを理解させるために、葉っぱが落ちて土に戻り、新たな命を育む自然の仕組みを話し合う時間を設けるのも効果的です。この絵本はシンプルな言葉と美しい絵が特徴なので、読み聞かせを通じて心を落ち着ける時間を作るのにもぴったりです。親子や保育の現場で、自然や命の大切さを穏やかに伝える一冊として活用してください。