
【絵本】パライパンマンマ
内容説明
「きみのことを話してみて」。そんな思いやりの心をテーマにした、楽しく心温まる「友だちづくり」の物語です。話題を呼んでいる韓国の絵本作家イ・ジウンの作品で、個性豊かなキャラクターたちがシンプルなタッチで生き生きと描かれています。この絵本は、笑いと楽しさの中に、他者を受け入れることの大切さについて考えるきっかけを与えてくれます。
物語の舞台は、小さなマシュマロンたちが穏やかに暮らす村。ある日、「パライパンマンマ」という不思議な声が聞こえてきます。その声の主は、大きくて黒いモジャモジャ。村のマシュマロンたちは、モジャモジャが自分たちを食べようとしているのではないかと怖がり、戦う準備を始めます。
そんな中、ひとりのマシュマロンが疑問を投げかけます。「ほんとうに、モジャモジャはぼくらを食べるつもりなのかな?」その一言がきっかけで、マシュマロンたちはモジャモジャに近づき、話を聞いてみることにします。そして、彼らがモジャモジャの本当の気持ちを知ったとき……。
思いやりの心が育まれるこの物語は、子どもから大人まで読んだ人の心を温かく包みます。かわいらしいキャラクターたちや、リズミカルな言葉、漫画のような親しみやすいコマ割りも、この絵本の魅力のひとつです。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、子どもたちが他者を理解し、思いやりの心を育むための優れた教材です。物語は、小さな村のマシュマロンたちが未知の存在「モジャモジャ」を恐れるところから始まりますが、ひとりのマシュマロンが疑問を持ち、相手の話を聞くことで誤解が解ける展開は、コミュニケーションの大切さを教える良い機会となります。子どもたちに、まず相手を知ろうとする姿勢や、違いを受け入れることの大切さを伝える際に活用できます。
保育園や幼稚園の読み聞かせの時間では、キャラクターの個性やリズミカルな言葉を活かして、物語に感情移入しやすい雰囲気を作ると良いでしょう。また、読み終えた後に「みんなはモジャモジャがどんな気持ちだったと思う?」などの質問を投げかけることで、子どもたちの考えを引き出し、思考を深めることができます。さらに、小学生向けには物語を題材にしたディスカッションや劇遊びを取り入れ、役割を演じながら相手の視点を体験する活動も効果的です。
また、この絵本は家庭でも親子の対話を促すツールとしておすすめです。読みながら「もし自分がマシュマロンだったらどうする?」と子どもに問いかけることで、家庭内でのコミュニケーションを深められます。笑いと楽しさに包まれながら、大切な価値観を自然と学べるこの絵本は、子育て世代や教育現場にとって心強い味方となるでしょう。