
【絵本】にんじんようちえん
内容説明
「大きくなったら先生と結婚したい!」そう言い出したのは、幼稚園が苦手な「とげとげウサギの子」。そんな彼が、ある日突然「クマ先生」にプロポーズをするという、ちょっぴり変わった恋のお話です。
韓国で人気の絵本作家アンニョン・タルさんが描くこの物語は、かわいらしさの中に、胸がキュンとするような感情も込められています。「にんじんソング」という韓国で広く知られる童謡が物語の重要な要素になっており、主人公のウサギの子が、その歌詞に自分の気持ちを重ねて歌う姿はなんとも微笑ましいものです。読む人の心を温かく満たしてくれる一冊となっています。
翻訳を手がけたのは児童文学作家のひこ・田中さん。子ども時代の新鮮な感覚やピュアな気持ちが、日本語で見事に表現されています。また、北村人さんによる手書き文字が物語の世界観に寄り添い、絵本全体の魅力をさらに引き立てています。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、幼稚園や保育園での知育や教材として活用するのにうってつけの一冊です。まず、物語の主人公である「とげとげウサギの子」が抱える幼稚園への苦手意識は、子どもたちが抱きがちな不安や悩みを代弁しています。ストーリーを通して、子どもたちは自分の感情を整理したり、他者への思いやりや憧れの気持ちに共感したりすることができます。このような感情教育は、特に幼少期において重要です。
また、物語の中で歌われる「にんじんソング」を取り入れることで、音楽活動とも結びつけられます。歌詞をみんなで口ずさみながら、ウサギの子の気持ちを共有し、リズム感や表現力を育てることができるでしょう。このように、絵本を読むだけでなく、体験型の学びを組み合わせることで、子どもたちの興味を引き出す工夫が可能です。
さらに、絵本全体を通じて描かれるピュアな感情は、子どもたちだけでなく、読み手である親や先生にも温かい気持ちを届けてくれます。ひこ・田中さんの翻訳や北村人さんの手書き文字が、絵本の世界観をより身近に感じさせてくれる点も魅力です。読み聞かせの時間にぜひ取り入れ、子どもたちと一緒に感情を共有しながら楽しんでみてください。