
【絵本】つきよのゆめ
内容説明
サーカスで仲良く暮らしている4匹の動物たち。くまのクッキー、たぬきのポンヌ、きつねのコン、ぶたのトンキーは、みんなサーカスの人気者です。けれど、4匹がここに来るまでの道のりはそれぞれ違いました。
クッキーは子どもの頃、森で捕まえられ、サーカスに連れてこられました。そのため、草むらや土の匂いをまだ覚えています。一方、ポンヌとコンは動物園で生まれ、そこからサーカスにやって来ました。そしてトンキーは牧場が生まれ故郷です。
ある月夜の晩、クッキーが突然声を上げました。「ぼくはここを出て、森へ帰りたいんだ」。その言葉に、ポンヌとコンもうなずきます。でも、トンキーは迷っていました。みんな同じ気持ちを抱えてはいるものの、その大きさや強さは少しずつ異なっていたのです。
どんなに仲が良くても、同じ場所にいる必要はありません。それぞれが自分に合った場所を選ぶことが大切です。そして、たとえ離れていても、みんなが幸せなら心はつながっていられるのです。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、子どもたちに「個性の尊重」と「自己選択の大切さ」を教える良い教材です。それぞれ異なる背景を持つ4匹の動物たちが、自身の本当の居場所や幸せを考え、それに向き合う姿は、子どもたちに「自分らしさ」について考えるきっかけを与えます。たとえば、サーカスでの仲間との時間は楽しい一方で、クッキーが森を恋しがるように、誰もが異なる夢や希望を持っていることを理解させることができます。
また、この物語は「つながり」についても深く考えさせてくれます。たとえ離れていても、心がつながるというメッセージは、幼少期における友達との別れや新しい環境への適応をサポートする内容として活用できます。子どもたちに「離れても大丈夫」という安心感を伝えることで、前向きな気持ちを育むことができます。
さらに、4匹の動物たちの背景を通して、自然環境や動物の生態について学ぶきっかけにもなります。クッキーの「森」、トンキーの「牧場」、ポンヌとコンの「動物園」という設定を使って、それぞれの場所の特徴や動物たちがどのように暮らしているのかを話題にすることで、自然や動物への興味を引き出すことができるでしょう。