
【絵本】おかあさん どこいったの?
内容説明
ぼくたちは、おかあさんに「さようなら」を言った。でも、ぼくにはその意味がよくわからない。大切なおかあさんを失ったけれど、家の中にはおかあさんのものがたくさん残っている。どうしておかあさんは帰ってこないのか、ぼくの心は混乱でいっぱいだ。
それでも、家族みんなで少しずつ受け入れていく。おかあさんがもういないこと、そしておかあさんがどこにいるのかということを。悲しみの中でも、家族とともに前を向こうとする姿が描かれている。
大切な人を失ったときの喪失感、そして残された家族がゆっくりと再生していく過程を、優しい視点で静かに語りかける翻訳絵本。悲しいけれどどこか温かな気持ちになれる物語です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、大切な人を失うという普遍的なテーマを扱っており、子どもたちにとって喪失感や悲しみを理解し、受け入れるための大切なきっかけを与えてくれます。子育て中の親や教育現場で活用する際には、まず子どもが感じる悲しみや混乱に寄り添いつつ、その感情を言葉にする手助けをすることがポイントです。この絵本を読むことで、子どもたちは「悲しい気持ちを抱えてもいいんだ」という自己肯定感を持てるようになります。
また、物語の中で描かれる家族の再生の過程は、子どもたちに「悲しみを抱えながらも前を向いていける」という希望のメッセージを届けます。読み聞かせの際には、子どもが物語に共感できるように、「もし君がぼくの立場だったらどう思う?」と問いかけたり、家族の存在について話し合ったりするのも効果的です。特に、年齢によって理解度に差が生じるため、幼児には絵を見ながら感覚的に伝え、小学生には物語の背景や気持ちに焦点を当てて深めていくと良いでしょう。
さらに、この絵本は大人自身が「喪失」と向き合う際の助けにもなります。親や教師が物語を通じて自身の感情を振り返ることで、子どもたちの気持ちをより深く理解し、適切にサポートできるようになるでしょう。この絵本は、悲しみの中にも温かさや希望を見出す力を育む、貴重な教材として活用できます。