
【絵本】すきなひと
内容説明
ある夜、わたしは自分自身とすれちがった。そのもうひとりのわたしは、「すきなひとがいるから追いかけてる」と言う。でも、わたしにはすきなひとなんていないはずなのに……。
そんな不思議なできごとをきっかけに、心の奥底に眠る感情や、見えないけれど確かにある大切なものに気づいていく物語。
桜庭一樹と嶽まいこが描く、どこか夢のように美しく、心に満ち足りた時間をもたらす一冊です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、子どもたちが自分自身の内面に向き合い、心の奥底にある感情や価値観に気づくきっかけを与えてくれる作品です。「もうひとりのわたし」との出会いという非日常的な設定は、子どもたちに想像力を刺激しながら、自分自身の心を見つめ直す大切さを自然に学ばせてくれます。自分の感情を言葉にすることが難しい幼児期や小学生低学年の子どもたちにとって、この物語は感情を理解し、表現する力を養う良い教材となります。
また、「好きな人を追いかける」という行動は、子どもたちに「自分が本当に大切に思うものは何か」を考えさせる機会を提供します。日常生活での「好き」や「興味」を見つける手助けとなり、自己肯定感を育む要素が含まれています。読み聞かせやクラスでのディスカッションの時間に、この絵本を活用すれば、それぞれの子どもが感じたことや気づきを共有することで、他者の価値観を尊重する態度も育てることができます。
さらに、絵本の美しいイラストや夢のような世界観は、子どもたちに視覚的な楽しさを提供しながら、感覚を豊かにする効果もあります。読み終えた後には、「自分自身と向き合う時間」をテーマに、自由な絵を描かせたり、日記を書く活動を取り入れると、子どもたちの創造力や表現力をさらに高めることができるでしょう。