
【絵本】こはるとちはる
内容説明
こはるとちはるは、クラスでも大の仲良し。お気に入りのケーキや服、さらには好きな色まで何もかも一緒で、お互いそれが嬉しくてたまりません。
でも、ある日ふたりは気づいてしまいます。なんと「好きな人」まで同じだったのです。それから、楽しかった気持ちが少しずつ複雑に変わっていきます。親友なのに、どうしてこんなにモヤモヤするの?
白石一文と北澤平祐が描き出す、友情と恋が交差するドキドキの物語。心の中で揺れる気持ちにそっと寄り添う一冊です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、幼い子どもたちが友情や感情の複雑さに気づき始める大切な時期に、心の成長を支える教材として非常に有用です。主人公のこはるとちはるが「好きな人」をめぐって葛藤する様子は、子どもたちにとっても身近でリアルなテーマです。この物語を通じて、友達と自分の違いや、共感や競争が生まれたときの気持ちの整理の仕方を学ぶきっかけを提供できます。
まず、読み聞かせを通じて、子どもたちに「自分ならどう感じるか」「友達にはどう接するか」を考えさせることで、感情の言語化や自己表現の力を育むことができます。また、主人公たちが抱えるモヤモヤした感情について話し合う時間を設けることで、他者の気持ちに寄り添う共感力を養います。さらに、「好きなものが同じでも、違っていても、友達は大切だよ」というメッセージを伝えれば、個性の受容や他者との違いを尊重する姿勢が育まれるでしょう。
この絵本を知育として活用する際は、物語の内容だけでなく、子どもたちの反応を観察しながら対話を深めることがポイントです。特に、幼稚園や小学校低学年の子どもたちの中で芽生え始める「恋愛感情」や「独占欲」を否定せず、自然な感情として受け入れる姿勢を大人が示すことで、安心して自分の気持ちを話せる環境を整えることができます。