
【絵本】いるの いないの
内容説明
おばあさんの古びた家で、しばらく暮らすことになったぼく。そこは、どこか不思議な空気が漂う場所だった。
家の暗がりに目をやると、誰かが潜んでいるような気がしてならない。見えないはずの何かが、そこにいるような気配が感じられるのだ。
京極夏彦と町田尚子が作り上げたこの絵本は、空間がもつ「こわさ」を繊細に描き出している。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、子どもたちの想像力を育む教材として最適です。物語の舞台となるおばあさんの家の「不思議な空気感」や、「見えない何か」の気配を感じる描写は、子どもたちの感受性や観察力を刺激します。特に、暗がりや静けさがもたらす独特の感覚は、日常生活では見過ごしがちな感情や発見を学ぶきっかけになります。
また、京極夏彦さんの文章と町田尚子さんの絵の融合によって、空間が持つ「こわさ」が視覚的にも感覚的にもリアルに伝わります。これを通じて、子どもたちは「怖い」という感情について考えたり、それをどう受け止めるかを学ぶ機会を得られるでしょう。たとえば、読み聞かせの際に「どんな気持ちになった?」「もし自分がぼくだったらどうする?」と問いかけることで、子どもたちの思考を深めることができます。
さらに、絵本を読む中で、家や暗がりといった身近なものに新たな視点を持つようになる点も魅力です。読み終えたあとに「家の中で一番静かな場所を探してみよう」といった遊びを提案すると、物語の世界観を現実に結びつけ、子どもたちの興味を引き出せるでしょう。この絵本は、感性を育てるだけでなく、怖さを共有しながら家族や友だちと話し合う場を生み出す貴重な教材として活用できます。