
【絵本】庭にくるとり
内容説明
ぼくは、母さんが生まれ育った家で暮らすことになった。この家には、おじいちゃんがひとりで住んでいる。これからは、おじいちゃんとぼくが一緒に家族として暮らしていくのだ。
ある日、おじいちゃんが庭で何かを作っているのに気づいた。どうやら鳥のエサ台らしい。「そのうち鳥がやってくるよ」とおじいちゃんは言うけれど、ぼくは「そんなの来るわけない」と心の中で思っていた。
そんな日々の中で、おじいちゃんとぼくの距離は少しずつ変わっていく。お互いの心がゆっくりと近づいていく様子が、穏やかで静かな時間の中で丁寧に描かれた家族の物語。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、家族のつながりや世代を超えたコミュニケーションの大切さを丁寧に描いた物語です。子育て世代の親や教育現場で活用する際には、親子や祖父母との関わり方をテーマにした話し合いや活動のきっかけとしておすすめです。たとえば、物語の中で描かれる「鳥のエサ台」を題材にして、実際に子どもたちと一緒にエサ台を作り、自然観察を楽しむアクティビティに繋げることができます。ものづくりの過程を通して、親子や先生と子どもたちとの対話が生まれ、協力の大切さを学ぶきっかけにもなるでしょう。
また、この作品はおじいちゃんと「ぼく」の心の距離が徐々に近づいていく様子が描かれているため、人と人との信頼関係が育まれる過程について話し合う題材にも適しています。子どもたちに「相手の気持ちを知るにはどうすればいいか」「家族や友だちと仲良くするためには何が大切か」など、感情や共感について考える時間を提供することができます。さらに、物語の穏やかな雰囲気は、子どもたちに安心感を与え、心を落ち着ける読み聞かせの時間にも最適です。
この絵本を通じて、日常の中にある小さな幸せや家族の絆について考える時間を大切にし、子どもたちが人とのつながりを深く感じられる体験を提供してみてはいかがでしょうか。