
【絵本】死んだかいぞく
内容説明
「死」をテーマにしながら、「生きること」について考えさせられる絵本です。この物語は、好き放題に生き、欲しいものをすべて手に入れてきた海賊が殺され、海へと投げ出される場面から始まります。
海の中では、さまざまな生き物たちが海賊の体から宝石や衣服、さらには爪や目までも奪っていきます。不気味な状況の中で、海賊自身の心にも少しずつ変化が訪れます。
この絵本は、読者に「死ぬことってどういうことだろう?」「生きるって何だろう?」と問いかける内容になっています。親子で一緒に読みながら、生と死について話し合うきっかけになる1冊です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は「死」をテーマにしつつ、「生きること」の意味を深く考えさせられる内容で、子育てや教育の場で非常に貴重な教材となります。物語の中で海賊は、欲望のままに生きてきた自分の人生を振り返りながら、死後に海の生き物たちに自身を分け与え、次第に変化していきます。このプロセスは、子どもたちに「自分が生きることで周囲に何を与えられるのか」「死とはどのように自然や他者と繋がっていくのか」といった重要な問いを投げかけます。
親子で読む場合は、物語の展開に合わせて「海賊はなぜ変わったのかな?」などと問いかけることで、子どもが考えやすくなります。また、怖さや不気味さといった描写についても、「なぜこの場面が必要なのか」を話し合うことで、死を単なる怖いものではなく、自然の一部として受け入れる心を育むことができます。
保育や小学校の現場では、自然や命の循環を学ぶ授業の導入として活用するのがおすすめです。例えば、海の生き物たちが海賊の体をどう利用しているかを観察することで、生態系や命のつながりを学べます。また、絵本の後に「自分が大切にしたい生き方」について絵や文章で表現させる活動を行うと、より深い学びにつながるでしょう。