
【絵本】よるのふね
内容説明
夜、父さんが「ちょっとホタルになってくる」と言いながらベランダへ出ていきました。不思議に思ったわたしは、父さんを探しにいきます。そして屋根の上で、父さんがじっと海の向こうを見つめているのを見つけました。わたしも隣に座り、満月の光に照らされた静かな海を一緒に眺めます。
そのとき、入り江の向こうに点滅する光が見えました。父さんは「あれは、月夜の晩に『よるのふね』に乗って遊びにおいで、という合図なんだよ」と教えてくれます。本当かな?「よるのふね」なんて本当にあるの?
夜の海と灯台を舞台に、父と子が繰り広げる心の冒険が描かれます。海を愛する作家と画家が紡ぎ出した、幻想的で温かな物語です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、親子のつながりや自然との触れ合いをテーマにした、幻想的で心温まる物語です。知育や教材として活用する際には、まず「想像力を育む」ポイントに注目できます。お父さんが語る「よるのふね」の話や、静かな夜の海の描写は、子どもたちの想像力を大きく刺激します。「よるのふねってどんな船だと思う?」「灯台の光はどうやって合図しているのかな?」と問いかけることで、物語の世界を広げるきっかけをつくりましょう。
また、この絵本は「親子の時間を大切にする」ことの大切さを教えてくれる一冊としても活用できます。お父さんと主人公が並んで海を眺めるシーンは、忙しい日常の中で親子が共有する特別なひとときを感じさせます。読み聞かせの後に「今度一緒に夜空を見てみようか」や「満月の夜に何が見えるか探してみよう」といった提案をすることで、親子の絆を深める時間を作るきっかけになります。
さらに、自然を題材にしているため、「自然の美しさや不思議に気づく」感性を育む教材としてもおすすめです。満月や灯台、入り江の光といった自然の描写に目を向けることで、夜の海が持つ神秘的な魅力を伝えることができます。実際の海や空を観察しながら、絵本の世界と現実をつなげる活動を取り入れると、より深い学びにつながるでしょう。