
【絵本】ドラゴン、火をはくのはやめて!
内容説明
北の地に、冬でも凍らない青い沼がある小さな国がありました。その沼には、どんな願いでも叶えられると言われるドラゴンが住んでいました。ある日、国の王様はドラゴンに願いを伝えます。「火をはいて国を暖かくしてほしい」と。暖かい気候になれば作物が豊かに育ち、人々の暮らしも豊かになると考えたのです。
ドラゴンは王様の願いに応え、火をはいて国を暖かくしました。その結果、作物の収穫は増え、国は繁栄します。しかし、王様の欲はとどまることを知りません。さらなる豊かさを求めてドラゴンに火をはき続けさせた結果、国は次第に灼熱の土地と化し、かつての豊かな暮らしは失われてしまいます。
そんな中、子ねこのミューが立ち上がります。そして、国中の子どもたちとともにドラゴンのもとを訪れ、「火をはくのをやめてほしい」と訴えます。未来を守ろうと立ち上がった子どもたちの行動と勇気が、この国に変化をもたらすのです。
この物語は、環境問題に声を上げる若者たち、特にグレタ・トゥンベリさんのような存在をイメージして描かれています。ミューとともに立ち上がる子どもたちの姿は、未来への希望と可能性を感じさせてくれるでしょう。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、環境問題への関心を育む教材として大変効果的です。物語全体を通じて、自然環境と人間社会の関係、そして欲望がもたらす影響を子どもたちにわかりやすく伝えています。特に、ドラゴンの火がもたらす一時的な繁栄と、その後の灼熱の土地へと変わる過程は、資源の使いすぎや環境破壊が引き起こす問題を象徴しており、現代の地球環境の課題に重なります。
保育園や幼稚園、小学校では、この物語を読み聞かせた後、「欲張りすぎると何が起きるのか?」や「自然とどうやって仲良くできるかな?」といったテーマで話し合うと、子どもたちが自分の考えを深める良いきっかけになります。また、ミューと子どもたちが立ち上がる姿は、若い世代の行動が周囲を変える力を持つことを教えてくれます。これを通じて、子どもたちに「自分たちにもできることがある」という自信や責任感を育むことができるでしょう。
さらに、ドラゴンや王様、ミューといったキャラクターを通じて、物語を劇や絵画活動に発展させるのもおすすめです。子どもたちが物語を自分の言葉や表現で再現することで、創造力を伸ばすと同時に、環境問題についての理解を深めることが期待できます。この本は、未来を生きる子どもたちに「環境を守ることの大切さ」と「一人ひとりの行動が世界を変える可能性」を教える素晴らしい教材です。