
【絵本】きつね、きつね、きつねがとおる
内容説明
花嫁行列やお祭り、大道芸。どれもワクワクするものだけど、小さな女の子には背が足りなくて何も見えない。つまらないな、大人になれば何でも見えるのに――。でもね、子どもだからこそ見えるものもあるんだよ。
それは、日が暮れかけた逢魔時に現れる、不思議で美しい世界。女の子が目にしたのは、現実と幻想が交わる瞬間に広がる、妖しい輝きを放つ光景でした。
人気ファンタジー作家・伊藤遊が初めて手がけた絵本。岡本順の繊細で豊かなイラストが、現実と非現実の狭間を鮮やかに描き出し、読者を幻想の中へと誘います。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、子どもたちが持つ独自の感性や想像力を育むために最適な教材です。主人公の女の子が日常の中で「見えないもの」に不満を感じながらも、子どもだからこそ見える不思議な世界を発見する物語は、感受性や好奇心を刺激します。読後に「大人と子どもの違い」や「見えるもの・見えないもの」について話し合うことで、子どもたちの観察力や想像力を養うきっかけになります。
また、逢魔時に広がる幻想的な描写は、自然や時間の移り変わり、美しさに気づく感性を育てます。子どもたちと一緒に夕方の空を観察したり、絵本の中の情景をもとに絵を描く活動を取り入れると、より深い共感や理解が得られるでしょう。特に岡本順の繊細なイラストには、色彩や光の効果が巧みに描かれているため、美術や色彩教育の入り口としても活用できます。
さらに、この絵本は「現実と幻想の狭間」というテーマを通じて、想像力豊かな物語の創作や表現のきっかけにもなります。子どもたちに「もし自分が女の子の立場だったら、どんな世界が見える?」と問いかけることで、自分ならではの物語を考える力を伸ばすことができます。ぜひ親子やクラスの時間で読んで、子どもたちの心の中に広がる世界を一緒に楽しんでください。