
【絵本】おにたのぼうし
内容説明
節分の夜、豆まきの音が聞こえない家を見つけたおにの「おにた」。その家にそっと入り込むと、病気の母親を看病している一人の少女と出会います。
おにたは、いつもとは違う温かさや静けさが漂うその家で、少女との心のふれあいを通じて特別な時間を過ごします。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、節分という日本の伝統行事を背景に、「おに」という存在を通じて他者への思いやりや家族愛の大切さを伝える物語です。教材として活用する際には、節分の習わしや意味を子どもたちに教える導入として使うのはもちろん、物語に込められた深いテーマについて話し合う時間を設けることが効果的です。
特に注目すべきは、「おに=怖い存在」という固定観念を覆し、異なる視点で物事を見る重要性を子どもたちに伝えられる点です。おにたの心情に寄り添いながら読み進めることで、他人の立場に立って考える力を育むことができます。また、病気の母親を支える少女の姿を通じて、家族や身近な人への感謝を考えるきっかけにもなります。
さらに、絵本に描かれる温かい雰囲気や静けさは、情緒教育の一環としても役立ちます。読み聞かせの際には、静かな時間を大切にしながら感情を込めて読むと、子どもたちが物語の世界観により深く入り込めるでしょう。読後には、子どもたちの感想を共有したり、「自分ならどうするか」を考えるディスカッションを行うことで、想像力や共感力を引き出すことが期待されます。