当サイトでは、商品・サービスの紹介にアフィリエイトプログラムを利用しています。
BOOK

【絵本】うみぼうず

タイトル 【絵本】うみぼうず
著者 ,
出版年月日 2011/02
判型 B4変型判
ページ数 32ページ
出版社
対象年齢 ,,
ISBN 9784591122532

内容説明

【ひしゃくを よこせ、ひしゃくを よこせ〜】

ニシンがとれず、貧しさと飢えに苦しむ男の子とおじいさんがいました。追い詰められた二人は、「ろうそくいわより おきに ふねを だすと、おそろしいめに あう」という古くから伝わる掟を破り、思い切って沖へと舟を漕ぎ出します。漁を終え、急いで浜へ戻ろうとしますが、その途中で……。

「うみぼうず」という名前は聞いたことがあるけれど、どんな話かは知らない、という人も多いかもしれません。本作は、そんな日本のおばけ話を現代の子どもたちに伝えるシリーズの第二弾です。舞台は海。広大な海の上で、逃げ場のない恐怖に心をつかまれる物語です。相手は「うみぼうず」。何を頼んでも聞く耳を持たず、ただただ恐ろしい存在です。

しかし、おばけ話はただ怖がらせるだけのものではありません。この物語にも、人間に対する戒めや教訓といった、深いメッセージが込められています。また、著者である杉山亮さんの巧みな文章は、怖さの中にも安心感を与え、読後には心が落ち着けるよう工夫されています。読み聞かせにもぴったりなストーリー展開と、軽部武宏さんの迫力あるイラストが相まって、恐怖と感動を同時に味わえる一冊です。

知育や教材で活用する際のポイント

この絵本は、日本のおばけ話「うみぼうず」を題材にした物語で、単なる恐怖体験を提供するだけでなく、深い教訓を子どもたちに伝える教材として活用できます。物語の中で描かれる「掟を破ることのリスク」や「自然の力への敬意」は、道徳的な教えを学ぶ絶好の機会となります。特に、現代の子どもたちにとって馴染みの薄い伝承を通じて、昔の人々がどのように自然と向き合ってきたのかを考えるきっかけを与えられるでしょう。

読み聞かせを行う際には、物語の緊張感を大切にしながらも、子どもたちが恐怖だけで終わらないよう、最後に込められたメッセージについて話し合う時間を設けることがおすすめです。また、軽部武宏さんの迫力あるイラストは、海の広大さや「うみぼうず」の威圧感をリアルに伝えています。絵をじっくり見ながら、登場人物の気持ちや状況について子どもたちと意見交換することで、物語への理解が深まります。

さらに、絵本に出てくる「掟を破る」「命がけの漁」というテーマを通して、自然の力や人間の限界について考える機会を提供できます。保育園や学校では、海や自然災害について学ぶ授業の導入としても活用できるでしょう。感情に訴えるストーリーと、安心感を与える文章構成が絶妙で、年齢に応じた理解を引き出す工夫がしやすい一冊です。