
【絵本】うそなき
内容説明
ある男が自分を残して国へ帰ろうとすると、女は涙を流しながら彼を責めます。その姿は悲しげで、別れを惜しむ気持ちが伝わってくるようです。
ところが、実はその涙は本物ではありませんでした。女はお椀に入れた水を目につけて、泣いているふりをしていたのです。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は「感情表現」や「相手の気持ちを考える力」を育む教材として活用できます。物語に登場する女の涙が実は偽りだった、という展開は、子どもたちに「本当の感情とは何か」を考えさせる良いきっかけになります。例えば、涙そのものが悲しみを表すわけではなく、そこに込められた本当の意図を考える力を養うことができます。読み聞かせの際には、「なぜ女は嘘の涙を流したのだと思う?」と問いかけ、子どもたちが自由に意見を出し合えるような対話の場を設けると良いでしょう。
また、このお話は「誠実さ」や「信頼」といったテーマにも触れることができる内容です。女が嘘の涙を流したことで、男はどのような気持ちになったのかを考えさせることで、他者への影響や信頼関係の大切さを学ぶ機会となります。これを機に、日常生活での正直さや、相手の気持ちを尊重することの重要性について話し合うのも良いでしょう。
さらに、子どもたちが実際に自分の感情を表現する練習にもつなげられます。絵本の内容をもとに「本当に悲しいときはどんな気持ちになる?」と問いかけたり、簡単な劇遊びなどで実際に感情表現をしてもらうと、感情理解や表現力の向上につながります。この絵本はただの読み物としてだけでなく、子どもたちの社会性を育む教材としても非常に役立つでしょう。