
【絵本】いろのかけらのしま
内容説明
私たちの生活にはプラスチック製品があふれています。しかし、使い終わったプラスチックはどこへ行くのでしょうか?捨てられたそれらの多くは海を漂い、細かく砕けたマイクロプラスチックが生態系に深刻な影響を及ぼしています。この問題は今、世界中で注目されている新たな海洋環境の課題です。
この絵本は、その問題を鳥の視点から描いています。鳥たちは、どこか物悲しい表情を見せながら、この環境問題を静かに語りかけてきます。その姿は、読者の心に響き、教科書だけでは得られない「環境問題について考える感性」を育むきっかけを与えてくれるでしょう。
韓国で初めて出版されたこの作品は、世界中で高い評価を受け、多くの賞を獲得しました。2015年にはボローニャ国際絵本原画展に入選し、同年、国際ナミコンクールでグリーンアイランド賞(銀賞)を受賞。そして、ブラティスラヴァ世界絵本原画展では金牌を受賞するなど、その芸術性とテーマの重要性が広く認められています。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、プラスチックごみ問題という現代社会が直面する重要なテーマを、鳥たちの視点を通じて子どもたちにわかりやすく伝える優れた教材です。物語を読むことで、子どもたちはプラスチックがどのように自然環境や生態系に影響を及ぼすのかを具体的にイメージしやすくなります。親や教師は、物語の内容を読み聞かせた後、絵本に登場する描写をもとに「どうすればゴミを減らせるかな?」といった問いかけをすることで、子どもたちに考える機会を与えることができます。
また、この絵本は芸術性が高く、感情に訴える表現が特徴です。鳥たちの物悲しい表情や繊細なイラストから、子どもたちは環境問題の深刻さを感覚的に理解しやすくなります。感性を育むという観点からも非常に価値があり、単なる知識の習得に留まらず、子どもたちが自然や環境に対する思いやりを育むきっかけとなるでしょう。
さらに、環境教育の一環として、リサイクルやゴミの分別について話し合う導入教材としても活用できます。絵本で得た知識をもとに、実際に家庭や教室でできるエコ活動を提案することで、子どもたちが学んだ内容を行動に移す経験ができます。特に小学校の授業で使用する場合、読後に海洋プラスチック問題をテーマにした工作や発表活動を取り入れると、理解がより深まるでしょう。