
【絵本】飛ぶワニ
内容説明
ある日、空から落ちてきた卵からワニが生まれました。ワニはひっそりとした湖で、誰にも邪魔されず、のんびりと暮らしていました。
しかし、ある日突然の大洪水に巻き込まれてしまい、湖を離れ、気がつけば町の中に流れ着いていました。そんな中、やさしそうな声の男が近づいてきますが、彼にだまされてしまい、ワニ皮を剥がされてしまいます。傷つき、みすぼらしい姿になったワニの運命は、いったいどうなるのでしょうか?
この作品は、「アンパンマン」の生みの親として知られるやなせたかしが1965年に発表した絵本です。やなせたかし独特の視点と物語が光る一冊です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、子どもたちに「信頼」と「危険」について考えさせる貴重な教材となります。物語に登場するワニが湖で平穏に暮らしていたのに対し、洪水をきっかけに町へ流れ着き、だまされて傷ついてしまうという展開は、子どもたちに「知らない人に近づくことの危険性」や「人を見極める力」の重要性を伝えるきっかけとなります。特に幼稚園や小学校低学年の子どもには、自分の身を守ることの大切さを教える導入として活用できるでしょう。
また、ワニが困難な状況に置かれながらも、どのようにして新たな道を見つけていくのかというストーリーは、逆境を乗り越える強さや前向きな心の大切さを学ばせることができます。子どもたちが困難に直面した際、どう行動すればよいのかを話し合う時間を設けると、より深い学びにつながるでしょう。
さらに、やなせたかしの独特の視点や物語の展開は、子どもの感受性や想像力を豊かに育む助けとなります。読み聞かせの際には、子どもたちが共感できるポイントや感情の変化について意識して話し合い、物語の奥深さを味わえるよう心がけると良いでしょう。この絵本は単なる読み物ではなく、心の教育や社会性を育む教材としても大いに活用できる一冊です。