
【絵本】雪のかえりみち
内容説明
雪の日、学校はいつもより早く終わりました。友だちの多くは迎えが来て、次々と帰っていきます。でも、ぼくの母親は仕事があるので、ひとりで家まで帰らなければなりません。
寒さが身にしみる帰り道。凍える手足を我慢しながら歩くぼくの姿には、不安や心細さがあふれています。でも、道中で優しい大人たちに声をかけられたり、励まされたりするたびに、少しずつ心が温まっていくのを感じます。
雪の降る中、母の待つ家を目指して頑張る男の子の姿が、やさしく丁寧に描かれた物語です。読んだ後、心にぽっと灯がともるような一冊です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、子どもが一人で頑張る経験や、周囲の大人たちの優しさに触れることで成長する姿を描いた物語です。知育や教材として活用する際には、子どもたちに「自立」や「他者との関わりの大切さ」を学ばせる機会としておすすめです。まず、物語の中で男の子が感じる不安や心細さに共感することで、子どもたち自身の感情を認識する力を育むことができます。子どもたちが「自分だったらどう感じるだろう」と想像しやすい内容なので、感情の言語化を促す質問を投げかけると良いでしょう。
また、道中での大人たちとの交流は、他者からの優しさを受け取る経験の大切さを教えてくれます。読み聞かせの後は、子どもたちと一緒に「自分が誰かを助けたり優しい言葉をかけたりするなら、どんな場面で何をするか」を考える時間を設けると、自然と思いやりの心を育めます。さらに、最後に男の子が母の待つ家にたどり着く達成感は、目標に向かって努力することの喜びを伝えてくれるので、子どもたちに小さな目標を立てる練習をさせるのも良いでしょう。
この絵本は、読み終えた後も子どもたちの心に残り、温かな記憶として育まれる一冊です。親子の時間やクラス活動の中でぜひ活用してみてください。