
【絵本】パパはわるものチャンピオン
内容説明
ぼくのパパはプロレスラー。でも、ただのレスラーじゃなくて、悪役を演じる“わるもの”なんだ。「今日は試合を見にきてほしい」と誘われて、一緒に会場へ向かうと、そこでは大きなタイトルマッチが行われていた。
試合が始まると、パパは悪役らしく、相手に徹底的に挑みかかる。観客のブーイングを浴びながら、悪者としての全力を尽くす姿は、なんだかすごい。ついにパパが勝利を手にすると、ぼくはうれしい気持ちになった。でも、その反面、なんだか複雑な気持ちも湧いてきて…。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、「役割を演じること」や「多面的な人間の姿」をテーマにしており、子どもたちの情緒や社会性を育む知育ツールとして非常に有用です。物語の中で、主人公のパパが悪役レスラーとして観客からブーイングを浴びながらも全力で役割を果たす姿は、職業や役割に対する責任感やプロ意識を学ぶきっかけとなります。子どもたちにとって、「悪役であっても全力を尽くす姿」がどういう意味を持つのかを考えることで、物事を多角的に見る力が育まれます。
また、主人公である「ぼく」の視点を通じて、複雑な感情を体験する場面が描かれています。パパが勝利して嬉しい反面、悪役としての振る舞いに戸惑う「ぼく」の気持ちは、子どもたちに「一つの出来事には複数の感情が入り混じることがある」という感覚を伝えてくれるでしょう。このような情緒の揺れを体験することで、子どもたちは自分自身の感情を理解し、他者への共感力を深めることができます。
保育や教育の場では、この絵本を読み聞かせた後に、「悪役ってどうして必要なのかな?」「パパはどんな気持ちだったと思う?」といった問いかけを通じて、子どもたちの考えを引き出すのがおすすめです。子どもたちが自由に意見を出し合うことで、相手の立場を想像する力や、異なる考えを受け入れる心を育む教材として活用できるでしょう。