
【絵本】ねずみのすもう
内容説明
ある日、山へしばかりに行った貧しいおじいさんは、不思議な光景を目にします。そこでは、ふっくらとしたねずみと痩せたねずみがすもうをとっていました。けれど、痩せたねずみは何度も負けてばかり。よくよく見てみると、その痩せたねずみは自分の家に住みついているねずみだと気付きます。
「こんなにやせてしまって、かわいそうに…」そう思ったおじいさんは家に戻り、おばあさんと一緒にたっぷりのおもちをついて、そのねずみに食べさせてあげました。それだけではありません。小さな赤いまわしも作ってあげ、ねずみのすもうの準備を整えてやります。
やがて、ねずみたちのすもうを見守るおじいさんとおばあさん。彼らの優しさが伝わる、心温まる昔話です。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、思いやりや助け合いの大切さを優しく教えてくれる物語です。子育て世代の親や先生が知育や教材として活用する際には、物語に込められたメッセージを子どもたちに伝えることがポイントです。例えば、おじいさんとおばあさんが痩せたねずみを気遣い、おもちを作ってあげる場面では、他者を思いやる心について話し合うきっかけを作ることができます。「もし自分の周りに困っている人がいたら、どんなことをしてあげたい?」と問いかけることで、子どもたち自身が思いやりの行動を考える時間を持てるでしょう。
また、ねずみたちのすもうの場面は、努力や応援の大切さを学ぶ場面として活用できます。痩せたねずみがまわしをつけて再び挑戦する姿は、子どもたちに「頑張ることの価値」や「応援することで生まれる力」を伝える教材として最適です。この場面を読み聞かせながら、「誰かを応援すると、どんな気持ちになるかな?」と問いかけてみると、子どもたちの感情や考えを引き出すことができるでしょう。
さらに、この物語は昔話特有の温かみのある語り口や、伝統的な日本の暮らしを感じられる点も魅力です。家族や地域の絆について話し合うきっかけにもなるため、家庭や保育園、学校での道徳教育としても活用しやすい一冊です。