
【絵本】こぶたものがたり
内容説明
チェルノブイリに住む少女ターニャと、福島に暮らす少女なつこ。2人はそれぞれ牧場で育てられた子豚を大切な友達としてかわいがっていました。しかし、原発事故が起こり、2人ともその子豚たちを手放さなければならない状況に追い込まれてしまいます。
そんな中、ターニャが被災した際、なつこの母であるふゆことの間に過去のつながりがあったことが明らかになり、周囲の人々もその出来事を思い出していきます。ふゆことターニャの交流が、ロシアと日本、そして世界を結びつける物語へと広がっていきます。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、原発事故という重いテーマを通じて、命の大切さや異なる文化・国を超えた共感と絆を学ぶことができる作品です。子育て世代の親や教育者にとって、子どもたちに理解しやすい形で社会問題を伝える貴重な教材となります。ターニャとなつこ、そして彼女たちの大切な友達である子豚たちの物語を通じて、子どもたちは「手放す痛み」や「他者を思いやる心」を考えるきっかけを得るでしょう。
特にこの絵本の特徴は、ターニャとなつこの交流によって、ロシアと日本という異なる背景を持つ人々がつながり、理解し合う姿を描いている点です。これにより、グローバルな視点を養う教育の一環として活用できます。また、原発事故という現実の出来事を題材にしているため、子どもたちが「なぜ事故が起きたのか」「どのような影響があったのか」を親や先生と一緒に考えることで、問題解決力や批判的思考を育むことも期待できます。
さらに、親子やクラスで読み聞かせをする際には、子どもたちが感じた疑問や感想を共有し、命や環境について話し合う場を設けることが効果的です。感情移入しやすいストーリーと共感を呼ぶキャラクターたちが、子どもたちに深い印象を残し、道徳や社会の授業など幅広い場面で活用できる一冊といえるでしょう。