
【絵本】「危険なジェーン」とよばれても
タイトル | 【絵本】「危険なジェーン」とよばれても |
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著者 | Margaret Breer,Noriko Takano,Reiko Matano |
出版年月日 | 2021/10/31 |
判型 | A4変 |
ページ数 | 36ページ |
出版社 | 岩崎書店 |
対象年齢 | 小学校中学年,小学校低学年 |
ISBN | 9784265851294 |
内容説明
ジェーン・アダムス(1860-1935)は、アメリカで社会事業や平和運動、女性運動に尽力した人物です。彼女はソーシャルワークの先駆者として広く知られていますが、幼い頃は身体が弱く、神経症にも苦しんでいました。そんな彼女が転機を迎えたのは、ロンドンでセツルメント運動の先駆けであるトインビーホールを訪れたときでした。この経験が、貧困層のための支援施設をアメリカでも作りたいという強い決意を生むきっかけとなります。
その後、ジェーンはシカゴのスラム街に「ハルハウス」を設立。この施設は、当時世界でも最大規模の貧困者支援センターとして多くの人々を助けました。さらに彼女は、女性の救援活動や平和主義を掲げた運動にも積極的に参加し、リーダーとしての存在感を示します。彼女の功績は1931年、アメリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞することで世界に認められました。
この絵本は、これまであまり注目されることのなかった偉大な女性たちの業績を紹介する新しい伝記シリーズの一冊です。ジェーン・アダムスがどのようにして数々の壁を乗り越え、多くの人々の人生を変える存在となったのかが描かれています。
知育や教材で活用する際のポイント
この絵本は、偉大な女性リーダーであるジェーン・アダムスの人生を通じて、困難を乗り越え、社会に貢献することの大切さを伝えています。子育て世代の親や教育者にとって、この絵本は子どもたちに「共感力」や「社会的責任感」を育む教材として活用するのに最適です。たとえば、ジェーンの幼少期の苦難や心の葛藤を描いた場面では、子どもたちが自分自身の困難と向き合う力や他者の痛みを理解する機会を提供できます。
さらに、ジェーンがロンドンでセツルメント運動に触れ、貧困層支援の施設「ハルハウス」を設立するまでの過程は、夢や目標を持ち、それに向かって努力する姿勢の重要性を子どもたちに教えることができます。特に、彼女の行動が多くの人々の生活を変えたという実例は、子どもたちに「自分の行動が社会に影響を与える」という意識を芽生えさせるでしょう。
また、ジェーンが女性の権利や平和運動に積極的に取り組んだエピソードは、特に小学生以上の子どもに向けて「多様性」や「平等」の価値観を伝える教材として活用できます。読み聞かせの後に、貧困や平和について話し合う時間を設けることで、子どもたちはより深く考えるきっかけを得られるでしょう。この絵本は、歴史的な視点だけでなく、現代の社会問題を考える入り口としても役立つ一冊です。